
土鍋は、火にかけた時にゆるやかに温まるのが特徴です。
食材にもゆっくりと熱が伝わるので、食材本来の旨みが十分に引き出される利点があります。
これは『低速加熱』と呼ばれる調理方法の原理と似ており、
これこそが土鍋を使う最大のメリットと言っても過言ではありません。
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食材の旨みや甘みを引き出すためには、タンパク質をアミノ酸に、デンプンを糖に、分解する必要があります。
この分解を促してくれるのが酵素という存在です。
酵素は、40~60℃ぐらいで最もはたらきやすくなる性質があります。
したがって、加熱調理をする際には、40~60℃を長時間キープした方が、旨みや甘みを引き出しやすくなります。
土鍋は、金属などの鍋と比較しても、良くも悪くもゆっくりとしか熱を伝えません。
ただ、そのおかげで『低速加熱』の状態を、繊細な火加減をする必要もなく、自然と作り出してくれます。
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なお、似た調理方法に、低温加熱と呼ばれる方法があります。
こちらは、40~60℃の温度帯をキープし続け沸騰させずに加熱を終える、というものです。
旨みや甘みを引き出すという意味では、原理は前述の通りですので、最適な方法と言えます。
しかしながら、沸騰させないという点で、「火はちゃんと通っているか?」「殺菌はできているのか?」などの
不安を抱えながらの調理になることも否めません。
一方、
『低速加熱』であれば、最終的には一度沸騰させますので、
加熱に長時間を要することはありませんし、
炊飯のような、一度は沸騰させなければならない調理にも適用することができます。
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世界の最先端のレストランも取り入れている『低速加熱』
土鍋を使って、ご家庭でも簡単に体験してみてはいかがでしょうか?